「なぜかしんどい」の理由が分かると、楽になる理由

人と会っている間は、楽しかった。

会話も弾んでいたし、たくさん笑った。
特に嫌なことを言われたわけでもない。
「 今日は楽しかったな 」と思いながら帰ってきた。

それなのに、家に着いた途端、どっと疲れが出ることがあります。

どうしてこんなに疲れているのだろう。

こういう疲れは、少し扱いにくいものです。

嫌なことがあったなら、まだ分かります。

でも、楽しかったはずの時間のあとに、なぜか疲れが残る。

そういった理由が分からないしんどさは、気づかないうちに自分を責める方向へ向かいやすくなります。

考えているうちに、疲れの理由が「自分の弱さ」のように見えてくることがあります。

でも、そのしんどさには、まだ見えていない理由があるのかもしれません。

もくじ

楽しい時間にも、見えない力を使っている

人と会っているとき、私たちは思っている以上に 周りの変化 を受け取っています。

相手の表情が少し変わると、今の言い方でよかったのか 気になることがあります。

会話に少し間ができると、次の言葉を探したり、場の空気が重くならないように自然と 調整したり することもあります。

そういうことは、誰でもすることがあると思います。
決して特別なことではありません。

むしろ、あまりにも普通のことすぎて、自分では「 気を遣った 」という感覚すらない場合もあります。

楽しい時間にしたいからこそ、相手の様子を見たり、会話の流れを保とうとしたりする。
それ自体は悪いことではありません。

ただ、外側を見ている時間が長くなると、自分の疲れに気づきにくくなります。

本当は途中で少し気を張っていても、その場では「 まだ大丈夫 」と思う。

そろそろ疲れてきたな、と感じたとしても、相手に気を遣わせたくなくて、そのまま合わせることも。

そうやって少しずつ、自分の感覚を無意識に後回しにする ことが多くなります。

「 楽しかった 」と「 疲れた 」は、どちらも本当

ここで大事なのは、楽しかったことを否定しなくていいということです。

疲れたからといって、その時間が嫌だったとは限りません。
楽しかったからといって、リラックスしていたとも限りません。

楽しかった

でも、疲れた

この両方があってもいいのだと思います。

人は、苦しさの理由をひとつに決めたくなることがあります。

楽しかったなら疲れないはずだと思うと、あとから出てきた疲れの行き場がなくなります。

でも本当は、楽しい時間の中にも小さな負荷はあります。

  • 相手の反応を見る
  • 会話の流れを保つ
  • その場に合う自分でいようとする

そうしたことを自然にしていたなら、帰ってから力が抜けるのは不思議なことではありません。

そう見えてくると、少し安心します。

「 自分が弱いから 」ではなく、「 気づかないうちに疲れていたのかもしれない 」と見られるからです。

理由が分かると、責める力が弱まる

なぜかしんどいとき、人は原因を探します。

けれど、はっきりした原因が見つからないと、その矢印は自分に向きやすくなります。

もっと上手にできればよかった。
もっと気楽に過ごせばよかった。

そうやって自分を見張るほど、次に人と会うときも、また緊張が増えてしまうことがあります

でも、しんどさの 背景 が少し見えると、同じ出来事の見え方が変わります

人と会ったあとに疲れたのは、人付き合いが苦手だからだけではない。

相手を見て、空気を読んで、自分の疲れに気づくのが遅くなっていたのかもしれない

そう思えると、自分を責める前に、起きていた流れを見る余裕 が生まれます。

この余裕があるだけで、心は少し楽になります。

理由が分かったとしても、すぐに問題が解消するわけではありません。

けれど、「 何が起きていたのか分からない 」という不安が少し減ると、必要以上に自分を悪者にしなくて済むようになります

変える前に、見えてくるものがある

しんどさの理由が分かると、すぐに何かを変えなければと思うかもしれません。

  • 次は疲れないようにしよう
  • もっと気楽にいよう
  • 相手を気にしすぎないようにしよう

でも、最初からそこまでがんばらなくても大丈夫です。

まずは、「自分はどこで外側を見続けていたのだろう」と少し振り返るだけでもいい。

疲れに気づいたときに、「 まただめだった 」と決めつける代わりに、「 あの時間、けっこう神経を使っていたのかもしれない 」と見てみる。

それだけでも、しんどさとの距離 は少し変わります。

心の仕組み研究所で大切にしているのは、すぐに自分を直そうとすることではありません。

まず、今起きている流れを見ること。
自分を責める前に、しんどさの背景に気づくこと。

理由が分かると、心は少し安心します。

そして安心が生まれると、次に同じような場面があったとき、自分の疲れに少し早く気づけるかもしれません。

もう少し早めに切り上げることや、帰ったあとに自分を責めずに休むことも、選びやすくなります。

「 なぜかしんどい 」は、弱さの証拠ではなく、まだ見えていない心の流れのサイン かもしれません。

その 理由が少し分かる だけで、困りごとは謎のままではなくなります
そして謎ではなくなったものは、自分のペースで少しずつ扱えるものに変わっていきます。

もくじ