人は楽しいと覚えてしまう

私は昔、数年間だけ幼稚園の先生をしていたことがあります。

結婚してからは母として、娘の学びにも長く関わってきました。

その中でずっと疑問に思っていたことがあります。

世の中には、

「勉強は大変なもの」

「努力して覚えるもの」

という考え方がありますよね。

もちろん努力が必要な場面もたくさんあるとは思います。

でも私は、どうしても「 そうとも言えない 」と思える現象をたくさん見てしまったんです。

楽しそうにしているときほど覚える。

遊んでいるように見える時ほど身についている。

むしろがんばらせようとするほど入らなくなる。

そんな場面を何度も見てきました。

そして気づいたのです。

人は覚えようとすると覚えられないことがある。

でも、楽しいと覚えてしまうことがある、ということに。

今回はそんな研究記録です。

もくじ

私は勉強を教えるのが好きだったわけではない

誤解されることがありますが、私は勉強そのものを教えることに強い興味があったわけではありません。

興味があったのは、

  • どうしたら 知識が自然に入る のだろう
  • どうしたら 勉強が面白くなる のだろう
  • どうしたら 無理なく覚えられる のだろう

ということでした。

だから私は、勉強の内容よりも 記憶に残る仕組み や、やる気が出る仕組み の方に興味がありました。

  • 人の脳はどんな時に動くのか
  • 人はどんな時に興味を持つのか

それを観察するのが好きだったのです。

百人一首は変な絵で覚えた

娘が中学生の頃、百人一首を覚える、という課題がありました。

普通なら暗記するのかもしれません。

でも私は、百人一首の句を見て思いついた、変なイラストを描き始めました。

上の句と下の句をつなげるための意味不明なイラストです。

今思うとかなりくだらない絵だったと思います。

でもそれが面白かったみたいで。

親子で笑いながらそのイラストについてつっこみをいれていました。

そして、ふと気づいたらけっこう覚えていたんですよね。

勉強しようとしていたというより、面白がっていたら覚えてしまった。

そんな感覚でした。

消化酵素は歌になった

理科でも同じことがありました。

消化酵素を覚える場面です。

普通に覚えると難しい。

そこで私は、「 こいのぼり 」の歌に乗せて替え歌を作りました。

「だーえーきーでんぷんしょうかえーきー」

「いーえーきーたんぱーくぺーぷーしーん」

そんな調子です。

今文字にすると何をやっているのかよくわかりません。

でも親子では大爆笑でした。

そして、やっぱり覚えてしまったのです。

この替え歌の効果はものすごかったです。

あれから10年以上過ぎましたが、私も娘も、今でも全部覚えているんですから。

英語は勉強しなかった

英語も少し変わっていました。

私は英語の問題集を大量にやりなさい、と言ったことがありません。
( というか、娘が勉強をやっているかどうかに興味がありませんでした )

ディズニー映画を英語音声で流したり、

『大草原の小さな家』や、

『雨に唄えば』を見たりしていました。

どっちもすごく古い作品ですよね。

そのチョイスには理由があります。

今どきのストーリーだと、絵も話もちょっと派手すぎて、言葉に集中するのが難しいな、と感じたからです。

もちろん2人とも、英語が得意なわけではないので、理解できるわけじゃありません。

でも、

「今こう言ったよね?」

「たぶんこういう意味だよね?」

そんな会話をしながら楽しんでいました。

勉強というより遊びですね。

でもその時間は確実に積み上がっていたと思います。

娘の英語の成績は、どんどん伸びていったので。

あとは、娘はコミュ力が高いというのもあるかもしれません。

おかげで、中学校に英語を教えに来ていた外国人の先生とお友だちになったっていうのも、効果があったかもしれません。

楽しいから覚えるのではない

ここでひとつ誤解があります。

私は「 楽しく勉強しましょう 」と言いたいわけではありません。

興味があるのは、その 仕組み のほうです。

  • なぜ 楽しいと覚えやすい のか
  • なぜ 面白いと頭に残る のか
  • なぜ 笑ったことは忘れにくい のか

私はずっとそこを見ていました。

今の研究で考えると、そこには「 安心 」が関係しているように思います。

人は 緊張 しているとき

  • 視野が狭くなる
  • 余裕がなくなる
  • 覚えることに力を使う

でも 安心 しているときは違います。

  • 好奇心が動く
  • 興味が広がる
  • 自然に情報が入ってくる

私は昔から、その現象を見ていたのかもしれません。

後から気づいたこと

最近になって思うことがあります。

人は心について知らないことがたくさんあって、これからの時代は、新しい「 心の学び 」が求められていると思っています。

だから、人が学ぶにはどういうことが必要なのか、という「 教育の研究 」に興味がありました。

でも私が見ていたのは、与えるほうの教育ではなく、

人はどうしたら自然に学ぶのか

という 自発的な学びの深め方 なのかもしれません。

そしてそれは学校の勉強だけではありません。

仕事も

人間関係も

趣味もそうです。

人は無理やり押し込まれるより、

興味を持った方が自然に吸収します

私は前からずっと、その力に興味があったんだと思います。

おわりに

振り返ると、私は昔から勉強そのものよりも、人の反応 を見ていました。

  • どうしたら楽しくなるのか
  • どうしたら興味を持つのか
  • どうしたら自然に覚えてしまうのか

それを観察していました。

そして今でも思います。

人は努力で覚えることもできます。

でも、学びが無理なく身につくためには、もうひとつの力が大事なんだと思います。

  • 面白いから知りたくなる
  • 楽しいから続いてしまう
  • 気づいたら覚えてしまう

私はこれからも、そんな仕組みを研究していきたいと思っています。

もくじ