心や人間関係のことは、
考えれば考えるほど難しくなることがあります。
そんなとき私たちは、
つい「どうすればいいのか」という答えを探そうとします。
でも、心や関係性の問題は、
気合いを入れれば入れるほど、
かえってこじれてしまうことがあります。
なぜなら、問題に見えているものの奥には、
人それぞれの想いや、関係性の流れがあるからです。
出来事や反応だけを見ても分からないことはたくさんあります。
その前後に、どんな流れがあったのか。
何を安心の材料にしていたのか。
どこで自分を見失ったのか。
どこで相手の状態に巻き込まれていたのか。
そこを見ることで、
心や関係性の「なんで?」は、
少しずつほどけていきます。
すぐ解決しなくていい
心の仕組み研究所で大切にしたいのは、
問題を見つけたときに、すぐ解決しようとしないこと です。
もちろん、現実的に対応が必要なことはあります。
でも、日常の中で起こる多くの心や関係性のこじれは、
すぐに白黒つけようとすることで、
かえって苦しくなることがあります。
- 相手が悪いのか
- 自分が悪いのか
- これは失敗なのか
- この関係は終わりなのか
- もっと努力するべきなのか
そうやって答えを急いでしまうと、
心は一気に正解を出すためのワープします。
まだ見えていない流れを飛ばして、
結論だけに飛びついてしまう。
でも、本当に必要なのは、
急いで答えを出すことではなく、
まず 今の状態を保留しておくこと かもしれません。
- 今は、まだ分からない
- 今は、まだ言葉にできない
- 今は、まだ白黒つけなくていい
そうやって、グレーのまま置いてみる。
そこから、今まで見落とされた、背景にあった流れが少しずつ見えてきます。
グレーのままでいい
心や人間関係の悩みは、
きれいに整理されてから出てくるものではありません。
むしろ多くの場合、
ぐちゃっとしています。
- 何がつらいのか分からない
- 誰が悪いとも言えない
- でも苦しい
- 説明しようとすると、話があちこちに飛ぶ
- 自分の気持ちも、相手への気持ちも、うまく分けられない
そんな状態のときは、
すぐに解決しようとしなくていい。
心の仕組み研究所では、
その「まとまらなさ」を大切にしたいと思っています。
グレーは、未完成ではありません。
本当の色が見えてくる前の、大切な余白 です。
急いで色を塗ると、
本当の色が隠れてしまうことがあります。
- 「これは自分が悪かった」
- 「相手が悪かった」
- 「これは失敗だった」
- 「こうするべきだった」
そんなふうに早く 意味づけ すると、
一時的には安心できるかもしれません。
でも、心の奥にまだ見えていない流れがあると、
また同じような苦しさが戻ってくることがあります。
だから、まずはグレーのまま置く。
グレーを消すのではなく、
グレーの中にある文脈を見ていく。
そこから、
ふと「ピコン!」と小さな気づきが光ることがあります。
気づきから、文脈に色が戻る
気づきは、いつも大きな答えとして表れるわけではありません。
「 もしかして、相手を心配していたというより、自分が不安だったのかもしれない 」
「 あのとき怒っていたのではなく、本当は分かってほしかったのかもしれない 」
「 がんばっていたつもりだったけど、安心するために走り続けていたのかもしれない 」
「 相手のためと思っていたけど、相手の状態を優先しすぎていたのかもしれない 」
そんな小さな気づきです。
それは、暗い部屋に小さなランプが灯るようなものです。
その光が見えると、
バラバラだった出来事が少しずつつながり始めます。
- なぜ苦しかったのか
- なぜすれ違ったのか
- なぜがんばっても安心できなかったのか
- なぜ不安になったのか
気づきは点
文脈は線
その点が線になり、
線に色が戻っていく。
グレーだった世界が、色を取り戻していく。
それが、文脈のカラーストーリーです。
相手の地図ばかり見ていると、自分の道が見えなくなる
人間関係の中で苦しくなるとき、
私たちは相手の状態を見すぎていることがあります。
- 相手はいま大丈夫かな
- 怒っていないかな
- 不安定にならないかな
- 私が何とかした方がいいかな
- ちゃんと支えられているかな
そうやって 相手の状態 を見続けているうちに、
自分自身の状態が見えにくくなっていきます。
- 自分はいま疲れているのか
- 本当は何を感じているのか
- 何を食べたいのか
- どこに行きたいのか
- 目の前の空はどんな色なのか
- 風は気持ちいいのか
相手を大事にすることは、悪いことではありません。
でも、相手の状態を優先しすぎると、
自分の心の動きを認識する力が弱くなります。
相手の地図ばかり見ていると、
自分の道が見えなくなる。
ここに気づくことが、
心と関係性のセルフケアのはじまりです。
研究のまとめ
相手の地図ばかり見ていたことに気づく。
思い込みの良かれが育っていたことに気づく。
そうやって、
自分理解と他者理解の両方が育っていく。
雲の向こうに星があるように、
グレーの中にも、ちゃんと色はあります。
その色が戻ってくるのを、
急がず、焦らず、見ていく。
それが、自分や周りの人と、
ともう一度手をつなぎ、
また一緒に歩いていくための大切な研究です。
